コスチュームジュエリーとは
アクセサリーとコスチュームジュエリー
私達は、ネックレスやイアリング、ピアス、ブローチなどを「アクセサリー」と呼んでいますが、これは、日本でしか通用しない呼び方です。海外では、一般に「コスチュームジュエリー」と呼ばれています。
アクセサリーは、付属品を意味する単語で、ファッションアクセサリーと言うと、ネックレスやイアリングを含め、帽子・バッグ・手袋・ベルトなどファッション小物すべてを指します。
なぜ、日本で「アクセサリー」という言葉が定着したのか、その理由は、『日本のコスチュームジュエリー史』(アクセサリーミュージアム館長田中元子さん著)に詳しくありますので、ぜひ、ご一読ください。
ファインジュエリーとの違い
コスチュームジュエリーに対して、ファインジュエリーは、金やプラチナなどの貴金属、貴石(ダイヤモンド, サファイア, ルビー, エメラルド, 真珠など)など高価な素材で作られたジュエリーです。
ファインジュエリーの中でも、更に希少な素材を使用したジュエリーを、ハイジュエリーと呼びます。
コスチュームジュエリーとは
コスチュームジュエリーは、素材としての価値にとらわれず、デザイン性を重視します。プラスチック、ガラス、木,人造宝石など、自由な発想で多種多様なものが使われます。
王侯貴族の権威と富の象徴だった装飾品が、製造技術の向上により、模造品が作られるようになりました。富裕層の台頭で、大衆化したところにコスチュームジュエリーの起源はあります。20世紀初頭には、それ以前とは全く異なるスタイルのファッションが生まれ、そのファッションに合うジュエリーが求められました。”洋服に合うジュエリー”という新しい視点で作られたジュエリーが、コスチュームジュエリーです。
第一次大戦による社会情勢の変化に伴い、女性の社会進出が進み、自立の意識が目覚めました。動きやすい服装と個性を演出するためのコスチュームジュエリーが女性たちからの支持を得ます。ファッションが世の中の空気感を表すように、コスチュームジュエリーも社会情勢や世相に呼応しています。
国内でもファンの多いブランド、シャネルの創設者ココ・シャネルはコスチュームジュエリーの先駆者でもあります。
素材の価値ではなく、デザインそのものに価値があるのがコスチュームジュエリー。「これが無くては、私らしい装いは完成しない」と思える画竜点睛のようなアイテムが、優れたコスチュームジュエリーと言えるでしょう。